下関市立大教授の懲戒処分の無効認める判決 山口地裁下関支部

職員の採用をめぐって、コネなどによる不正な採用だと主張するメールを学内の関係者に送ったなどとして減給の懲戒処分を受けた下関市立大学の男性教授が、処分の無効などを求めていた裁判で、山口地方裁判所下関支部は、処分の無効を認める判決を言い渡しました。

下関市立大学は、大学の職員採用をめぐって、男性教授がコネなどによる不正な採用だと主張するメールを学内の関係者に送り、採用された職員の人権を侵害したなどとして減給の懲戒処分にしましたが、この教授は、処分の無効と慰謝料を求めて大学を提訴していました。
これについて、山口地裁下関支部の榎本康浩裁判長は、「メールを送った相手は、すでに採用予定の職員の名前を認識しており、実名を挙げたこと自体が懲戒にあたる行為とは言いがたい」などとして、懲戒処分の無効を認める判決を言い渡しました。
その一方で、慰謝料については、「懲戒処分の公表は男性教授が特定されない形で行われ、不利益を受けていない」として棄却しました。
判決について、男性教授は、代理人の弁護士を通じて、「懲戒処分の無効について、こちらの主張が認められたので名誉回復の措置としては意義があると思っている。慰謝料が認められなかったのは残念だが、控訴するかどうかは検討する」というコメントを発表しました。
一方、下関市立大学は、「現時点では判決文が届いておらず、コメントはありません。判決文が届きしだい、精査して適切な対応を検討する」としています。