地価調査 山口県地価の下落続くも下落率は3年連続で縮小

山口県のことしの地価調査の結果が公表され、県内の土地の価格の平均変動率は、住宅地・商業地ともに下落が続いているものの、下落率は3年連続で縮小し、価格が上昇した地点も増えました。

地価調査は、土地の取り引き価格の指標にするため都道府県が調査していて、山口県はことし7月1日時点の県内395地点の価格を調査しました。
それによりますと、県内の1平方メートルあたりの土地の価格の平均は、住宅地が2万5900円で全国順位は34位。
商業地が4万4800円で38位でした。
価格の平均変動率は、去年と比べて住宅地でマイナス0.3%と25年連続の下落、商業地でマイナス0.3%と30年連続の下落となりましたが、下落率は3年連続で縮小しました。
また去年よりも価格が上昇した地点が増え、142か所で価格が上昇しました。
住宅地で上昇率が最も高かったのは「岩国市南岩国町3丁目」のプラス3.9%で、新しく家を必要とする子育て世代から人気があり、開発が行われて需要が高まり上昇率が高くなったということです。
商業地で上昇率が最も高かったのは「山口市小郡明治2丁目」のプラス3.8%で、この地点を含むJR新山口駅の北側では、産業交流拠点施設がオープンし、人の流れやビジネスの拠点になりつつあり、マンションやホテルなどの再開発事業が進み、利便性が高まるという期待感から上昇が続いているということです。
また市町別で平均変動率が最も高かったのは、住宅地では和木町のプラス0.9%で5年連続の上昇、商業地では防府市のプラス0.8%で、4年連続の上昇となりました。
地価調査に携わった、県地価調査代表幹事の不動産鑑定士の藤井正隆さんは「住宅地は低金利を背景に需要が安定し、商業地はコロナ禍を経て個人消費や企業業績が回復して観光需要も戻ってきた」と分析しています。
今後の見通しについては「住宅地は低金利が続けば緩やかな回復が継続するが、商業地はインバウンド需要が地価回復のかぎとなる。一方で物価高が進み節約志向になると、不動産への投資や住宅購入に慎重になり、地価への影響が懸念される」と話しています。