上関町 中間貯蔵施設 議員の意見聞く臨時議会18日に

中国電力が上関町で使用済み核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」の建設に向けた調査を行う意向を示していることを受けて、町議会は議員の意見を聞く臨時議会を8月18日に開くことを決めました。
議会で採決は取らず調査を受け入れるかどうかを町長が総合的に判断してその日のうちに中国電力に返答する意向です。

中国電力は8月2日、原子力発電所で使い終わった核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」の建設に向けた調査を、上関町にある中国電力の敷地内で行う意向を明らかにしています。
これを受けて14日、町議会の議会運営委員会が非公開で開かれ、8月18日の午前9時から臨時議会を開くことを決めました。
臨時議会では西哲夫町長が行政報告という形で中国電力の提案について説明したあと、町長自身の意見を伝えるということです。
その後、議員ひとりひとりから意見を聞き、採決は取らずに調査を受け入れるかどうかを町長が総合的に判断してその日のうちに中国電力に返答する意向です。
臨時議会では住民向けの傍聴席も20席分設けられ、希望者が多い場合は、抽せんを行うことにしています。
委員会に参加した山戸孝議員は「臨時議会を開くにも関わらず採決を取らないことに驚いたし、質疑応答の時間もないので大変残念だ」と話していました。
一方で西町長は「今回の話はそもそも議決案件ではないが、丁寧に議論を進めた方がよいだろうと議員の皆さんの意見を聞く機会を設けた。採決は取らないが反対意見が過半数であればもちろんその意見を尊重する」と述べました。

一方、町役場には反対派の住民およそ10人が訪れ、西町長に「中間貯蔵施設」の提案を受け入れないよう申し入れを行いました。
住民らは「中間貯蔵施設とは言うが、最終処分場となる懸念が避けられない」とか、「賛成・反対によって町民の分断を生む」などとする7項目の見解を記した申し入れ書を手渡し、16日までに文書で回答するよう町長に伝えました。
これに対して西町長は「今後、議員の意見も聞いて総合的に判断したい。今回はあくまで調査なので建設するという話になればまたそれは改めて議論したい」と述べました。
申し入れのあと、「原発に反対する上関町民の会」の山根善夫共同代表は「臨時議会を開いたあとに住民に報告するというプロセスはおかしい。都合の悪いことは事後でいいと考えていると受け取れる」と話していました。
また、上関町を含む周辺の2市4町の議員でつくる「上関原発建設に反対する2市4町議会議員連盟」も、14日、柳井市と平生町で「中間貯蔵施設」に反対するよう申し入れを行いました。
今後もそれぞれの市や町で順次、申し入れを行う予定です。