特定技能に活路を 

人手不足が深刻化する中、地域経済を維持していくために外国の人材の受け入れが進んでいます。そうした中で今、活用されているのが「特定技能制度」です。慢性的な人手不足の解消につなげるため、4年前から始まった制度で、「介護」や「農業」などの12の分野が対象となっています。日本語の試験と技能試験に合格する必要はありますが日本人と同等以上の給与を支払うことが義務づけられています。この「特定技能制度」を活用して積極的に外国の人材を雇用している企業を取材しました。

下関市豊浦町にある種苗会社。トマトやピーマンなどの野菜の苗を育成し全国の生産者に供給しています。この会社で働くネパール人のバガト・サンジブさん(28)。日本で長く働きたいと「特定技能制度」を活用して半年ほど前に来日しました。現地で日本語を学んでいたため、会話や読み書きも問題なくできます。仕事終わりや休みの日には日本語の勉強を欠かしません。
(サンジブさん)。
「晩に2時間、朝も1時間くらい勉強しています、毎日。ずっと長く住みたいです。みんなやさしい」。

この会社を経営する重岡伸一社長は従業員を募集してもなかなか人が集まらず、10年ほど前から外国の人材を受け入れてきました。
(ピーエスピー 重岡伸一社長)。
「外国人だと言われなければ分からないぐらいのレベルです。外国の人材の活用は、地方の中小企業にとって事業が継続できるという希望が持てる」。

そのノウハウを生かして、去年からは人材の確保に苦しむ地方の会社への紹介事業も始めました。この日はネパールの仲介業者とオンラインで打ち合わせを行いました。この業者は現地で日本語学校を運営していて、重岡社長は学生の教育から採用までの方針もアドバイスしています。通常は日本語試験と技能試験に合格してから採用を決めますが、重岡社長はその前に企業に紹介し、内定を出してもらいます。その方が日本語を勉強するモチベーションにつながる上、他社に先駆けていい人材を確保できるからです。

スイカなどを栽培する大分県日田市の農業法人です。今後の事業拡大を見据えて、外国の人材を本格的に受け入れることを検討しています。
(アグリーフル 秋山大輔社長)。
「日本人向けに求人出すと結構、来てくれるが、やっぱりどうしても理想とギャップがあって辞める人も多い。過去にインドネシア人を4か月間雇用させてもらったが、一生懸命で真面目だった」。
この日は重岡社長の立ち会いのもとネパール人5人の面接を行い、基本的な受け答えや仕事への意欲などを確かめました。まだ日本語がうまく話せませんが、重岡社長が定期的に学習状況を確認し、来日までに必要なスキルを身につけてもらいます。この農業法人では2人に内定を出し、来年の春から働いてもらう予定です。
(アグリーフル 秋山大輔社長)。
「人材確保をまず優先してくれて、なおかつ本当に僕たちの会社に戦力になってくれる人を紹介してくれる。まだ来日まで期間があるのでそれまでに勉強してもらって本当に一緒に働けたらと思っている」。
(ピーエスピー 重岡伸一社長)。
「特定技能の運用の仕方によって今後の日本の人材は大きく左右される。うまく運用していく方法を見出していきたい」。