下関市立大学元理事の解任 無効認める判決 山口地裁下関支部
大学の運営を学外で批判したのを理由に理事を解任されたのは違法だとして、下関市立大学の元教授が大学側に解任の無効を求めていた裁判で、山口地方裁判所下関支部は、11日、理事の解任を無効とする判決を言い渡しました。
下関市立大学をことし3月に定年退職した飯塚靖元教授は、大学の運営側が、教員などが参加する審議会に諮らずに、新たな専攻科の設置などを決めたことを学外で批判したのを理由に、令和2年10月に大学の理事を解任されました。
これに対し、飯塚元教授は、大学自治の担い手としての批判であり、理由のない違法な解任だとして、その無効を求める訴えを、おととし(令和3年)7月に山口地方裁判所下関支部に起こしていました。
これについて、山口地方裁判所下関支部の榎本康浩裁判長は、11日、元教授の訴えを認め、理事の解任を無効とする判決を言い渡しました。
判決文では、「公立大学法人では、役員の忠実義務についても公益という観点が不可欠」としたうえで、元教授の批判については、「相応の根拠を伴っていて、批判、および意見として許容される範囲を超えない」としています。
飯塚元教授は、裁判のあとの報告会で、「公立大学という教育、研究の場の特殊性をきちんと理解して判決に盛り込んでもらった」と話していました。
一方、下関市立大学は、「判決文が届いておらず、コメントできない。到着しだい、精査して適切な対応を検討する」としています。