“ネットで名誉毀損” 杉田水脈議員に賠償命令 大阪高裁

自民党山口県連所属で衆議院比例中国ブロック選出の杉田水脈議員に、インターネット上の投稿や発言で中傷されたと関西の大学教授らが訴えた裁判で、2審の大阪高等裁判所は、訴えの一部について、名誉毀損にあたると判断し、杉田議員に対して33万円の賠償を命じました。

日本学術振興会から科学研究費の助成を受けて、ジェンダーなどに関する研究をしていた大阪大学の牟田和恵名誉教授ら4人は、自民党山口県連所属の杉田水脈衆議院議員から、インターネット上の動画で、科研費の支出先などについて、「研究対象期間が経過したあとに科研費を使っている」などと発言され、名誉を傷つけられたとして、損害賠償などを求める訴えを起こしていました。
去年(令和4年)5月、1審の京都地方裁判所が訴えを退け、大学教授らが控訴していました。
30日の2審の判決で、大阪高等裁判所の清水響裁判長は、牟田名誉教授に対する一部の発言について、「一般の人からみると科研費が不適切に管理され使用されていると示す内容で、教授の社会的評価を低下させ、名誉を毀損する違法なものだ」などと指摘して、杉田議員に対して、33万円の賠償を命じました。
一方、このほかの杉田議員の投稿や発言などについては、教授らの訴えを退けました。
判決のあと、原告の牟田名誉教授は、「国会議員という責任がある立場でありながら、裁判所が認めるくらいの不法な行為をしたということを真摯(しんし)に受け止めてほしい」と話していました。

判決について杉田議員の事務所は、「大部分の主張が認められたものと受け止めている。一部認められなかった点については今後精査する」とコメントしています。