病院職員の手当減額訴訟 訴え棄却 山口地方裁判所

山口市の病院に勤務する職員など9人が住宅手当など一部の手当が一方的に引き下げられたのは不当だとして、引き下げられた額の支払いを求めた裁判で、山口地方裁判所は訴えを退けました。

この裁判は山口市の済生会山口総合病院の職員などあわせて9人が、非正規雇用の職員への手当を新たに創設するのに伴い、正規雇用の職員に支給していた住宅や扶養に関わる一部の手当を一方的に引き下げられたとして、引き下げ額あわせて6万9000円あまりを支払うよう求めたものです。
24日の判決で山口地方裁判所の山口格之裁判長は、「女性の就労促進や若年層の確保という課題を抱える病院が、人件費の増加抑制にも配慮して手当の組み換えを検討する中で、非正規職員の手当の拡充は正規職員らの不利益を低く抑えられるように検討して実施された」と指摘しました。
その上で「制度が根本的に変わる以上、支給条件の大幅な変更もやむをえず、新しい制度設計を選択する合理性と相当性が認められる」として職員側の訴えを退けました。
判決後、原告の男性職員は「棄却となってしまい残念です。病院には職員の気持ちになって誠実に対応してもらいたい」と話していました。
一方、病院側は「判決内容を精査して弁護士と相談した上で必要があればしかるべき対応を行う」としています。