がんの新治療 “光免疫療法” 県内で初実施

がん細胞をレーザー光で破壊する「光免疫療法」と呼ばれる新たな治療が、県内で初めて、防府市の山口県立総合医療センターで行われました。

「光免疫療法」を導入したのは、防府市の山口県立総合医療センターで、上咽頭にがんができた60代の男性がおよそ1時間にわたって手術を受けました。
「光免疫療法」は、のどや口の中などにできる「頭けい部がん」の患者が対象で、がん細胞に付着する特殊な薬を投与したあと、患部にレーザー光を当てることで正常な細胞を傷つけずにがん細胞だけを破壊する新たな治療法です。
担当の医師によりますと、この治療法は、放射線など従来の治療のあとに再発や転移があり、手術ができないケースなどに適用が認められ、4回まで行うことができるということです。
手術が難しい部位の治療が可能なことから、「頭けい部がん」治療の新たな選択肢として注目され、将来的にほかの部位のがんにも適用されることが期待されています。
手術にあたった山口県立総合医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科の竹本剛診療部長は、「こうした治療方法が山口県内でできるようになったということを、多くのがんと戦う患者に知ってほしい。いままで手術ができない患者に薬以外の治療方法がなかったことを考えると、新たな治療方法ができたのは有用なことだと思う」と話しています。