宇部市の炭鉱落盤事故の追悼式 3年ぶりに韓国の遺族も参加

81年前、宇部市の海底炭鉱で起きた落盤事故で犠牲になった人たちの追悼式が行われ、3年ぶりに韓国からも遺族が出席しました。

宇部市沖の海底炭鉱、「長生炭鉱」では、太平洋戦争中の昭和17年2月に落盤事故が発生し、多くの朝鮮半島出身者を含めてあわせて183人が犠牲になりました。
事故の後、坑道は閉鎖され、遺骨は、今も回収されていません。
4日の追悼式には、新型コロナの影響で、去年とおととし、出席できなかった韓国からの遺族を含めておよそ150人が出席しました。
初めに、黙とうが行われた後、韓国遺族会のヤン・ヒョン会長が「新型コロナの影響で出席できず、心苦しかった。改めて遺骨の返還を求めていきたい」と述べました。
そして、日韓交流の一環で、出席した両国の中学生と高校生26人が犠牲者の名が記された追悼碑の前で日本語と韓国語で書かれた「地上で会いましょう」というメッセージを掲げました。
最後に、韓国の遺族4人が追悼碑の前でひざをついて、2度おじぎをしたあと、出席者が次々と花をささげ、犠牲者を悼みました。
主催した市民団体の井上洋子共同代表は「韓国からのご遺族が参加できて本当によかった。私たちも国に対して遺骨返還を働きかけていきたい」と話していました。