伊方原発の事故想定 住民避難の手順など確認する訓練 上関町

愛媛県の伊方原子力発電所で大地震に伴う重大な事故が発生したという想定で、町の一部が原発から30キロ圏内に含まれる上関町では、住民避難の手順などを確認する訓練が行われました。

この訓練は、愛媛県などが毎年行う原子力防災訓練にあわせて山口県と上関町が行っていて、ことしは愛媛県伊方町で震度6強の地震が発生し、自動停止した伊方原発3号機で原子炉が冷やせなくなり、放射性物質が放出されたという想定で行われました。
伊方原発から30キロ圏内に離島の八島が含まれる上関町では、12日午前、防災行政無線を使って島の住民にいったん屋内へ避難するよう呼びかけました。
このあと離島からの避難者を受け入れるために町の施設に臨時の救護所を設置し、防護服に身を包んだ職員が屋外で新型コロナ対策として避難者の検温や問診を行う手順を確認しました。
また、線量計を使って体に放射性物質が付着していないかを調べ、基準値以上の放射線量が確認された人には応急的な除染を行ったあと、ほかの避難者とは別の部屋に誘導していました。
山口県柳井健康福祉センターの越智裕昭部長は「感染症と原子力の複合災害という、より厳しい想定で訓練を行ったが、部屋の換気など対応が変わることがあるので、バランスを考えながら必要な対策を取っていきたい」と話しています。