下関市倉庫倒壊事故から1週間 2次災害への備え進む 

下関市にある雑貨の卸売会社で倉庫の軒や壁が崩れて、従業員3人が巻き込まれて1人が死亡、2人がけがをしてから14日で1週間です。
現場ではがれきが撤去され、2次災害への備えが進んでいます。

9月7日、下関市一の宮卸本町にある雑貨の卸売会社、「辻豊」の倉庫の軒や壁が崩れて、近くに止まっていた7台の車が下敷きになりました。
車の中にいた従業員の男性3人が巻き込まれ、このうち市内の樋口善彦さん(55)が死亡し、2人がけがをしました。
14日で1週間。
倉庫の壁などが崩れ落ちた現場はがれきが撤去されて、警察の規制線も解除されています。
崩れ落ちた会社の2階部分は、内部がむき出しになっていることから風などで飛ばされるのを防ごうと、シートで覆われていました。
近くの会社に勤める60代の男性は「本当に痛ましい事故でした。このあたりは古い建物ばかりなので、自分たちも保守・点検に気をつけなければいけないと思います」と話していました。
会社によりますと、崩れた倉庫は鉄骨造3階建てで築50年以上が経過し、これまでも壁にひび割れができて修理したほか、8月の大雨で一部に雨漏りが見つかりました。
会社では以前から建て替えを検討していましたが、具体的な計画は立っていなかったということです。
会社の辻賀光社長は会見を開き、「倉庫が崩れた原因の1つには老朽化があると思う」とした上で、「会社の責任だと思うし、今思えば建て替えなければいけなかった」と述べていました。

【下関市が相談窓口設置】
下関市の前田市長は、12日の記者会見で「死亡者も出てしまったということで、市民には大変大きな影響があると認識している」とした上で、「事業所や建物、家屋が老朽化して心配な方もいらっしゃるので、窓口を設置して今後、丁寧に対応したい」と述べました。
その上で市は老朽化した法人の建物や個人の住宅についての相談窓口を設けました。
市によりますと、窓口には、14日午後1時の時点で個人や法人からあわせて10件の相談が寄せられ、建物を解体したいが、補助金などはあるかや具体的な相談は誰にすればいいのか、といった内容がほとんどだということです。
市の窓口では、引き続き、市の助成事業や、市内の建築設計事務所の紹介などを行っています。
今後、市では倒壊した倉庫を所有する会社に対して、事故原因についての報告を求めることにしています。

【老朽化建物はほかにも】
下関市では、古い建物の一部が崩れるケースが見つかっています。
警察によりますと、12日下関市彦島福浦町の築40年以上の4階建てのビルのコンクリートの一部が剥がれ落ちたということです。
老朽化が原因と見られるということです。
視聴者が12日に撮影した写真では、4階の軒の部分のコンクリートが一部剥がれているのがわかります。
14日は、剥がれた部分がシートで覆われ、補修工事のために足場が組まれていました。
撮影した50代の男性は、「近所では『市内で建物の倒壊があったばっかりなのに』とか『怖い』と話している人もいました。市内にはほかにも廃屋や老朽化した建物が多いので、人ごとではないと感じます」と話していました。

【今後の捜査は】
警察は倉庫が倒壊した翌日から2日間、会社の社長の立ち会いのもとで現場の実況見分を行い、建物の構造や崩れた軒や壁の破損状況などを調べました。
捜査関係者によりますと、倉庫の鉄骨部分にはさびが見つかり、倒壊の原因の1つに建物の老朽化があるとみていて、業務上過失致死傷にあたる可能性もあるとみて、関係者に話を聞くなどして倉庫の倒壊が予見できたかどうかなどを、事件と事故の両面で慎重に調べを進めています。