酒田市 津波避難ビルに食料などの備蓄配備 予算案提出へ

能登半島地震で津波警報が出された酒田市では、市が指定している「津波避難ビル」に食料などの備蓄がなく、警報が解除される前に多くの住民が帰宅したことが課題となっています。
これを受け、酒田市は、備蓄を整えるための費用を来月の定例議会に提案することになりました。

酒田市では、地震発生から最も早い場合、数分で津波が到達することが想定されていて、沿岸に近い自治会では高台への避難が間に合わないため、市は、民間のビルを「津波避難ビル」として指定しています。

元日に発生した能登半島地震では、山形県沿岸に津波警報がおよそ9時間にわたって出され、津波避難ビルに食料や毛布などの備蓄がなかったため、警報が解除される前に多くの住民が帰宅したことが課題になりました。

これを受けて、酒田市は、避難が長引いたり、外出先から直接、避難したりすることを想定し、津波避難ビルに備蓄を整えることを決めました。

市が指定している6か所すべてのビルにあわせておよそ800人分の水や非常食用のゼリー、保温や断熱効果が高いとされるアルミシートなどを準備する予定です。

市は、補正予算案で購入費用として54万円を計上し、来月4日に始まる予定の定例議会に提出することになりました。

酒田市は、議決を経て今後、ビルの所有者や自治会と調整しながら配備することにしています。