能登半島地震で津波観測 酒田市の飛島で津波想定の避難訓練

県内唯一の離島、酒田市の飛島では、能登半島地震で津波を観測したことを受け、住民などが津波を想定した避難訓練を行いました。

ことし1月1日の能登半島地震では、山形県の沿岸部に津波警報が発表され、気象庁によりますと、酒田市の飛島では最大で35センチの津波を観測しました。

これを受けて、飛島では23日、市の職員や住民などおよそ10人が参加して、避難訓練を行いました。

訓練は、地震が発生したあと飛島に津波警報が発表されたという想定で行われ、住民たちは周囲にいる人たちに「逃げてください」などと声をかけながら、高台に続く避難路を駆け上がっていました。

酒田市は津波警報が発表された場合、島内に14本ある避難路を使って速やかに高台に上がるよう呼びかけています。

島の人口はことし2月末時点で10年前よりおよそ3割減り、150人余りで、このうち65歳以上の高齢者はおよそ8割に上っています。

そのうえ、避難路の草刈りや修繕が難しく、どのように住民や観光客などの避難誘導を進めていくか課題となっています。

参加した飛島に住む70代の男性は「天候がよくスムーズに避難できたが、雨や雪の日は難しいと思う。市にも協力してもらいながら避難路の維持に務めていきたい」と話していました。

同じく飛島に住む20代の男性は「高齢者も多いため、手助けをしながらみんなが助かる方法を考えていきたい」と話していました。

訓練を視察した酒田市の矢口明子市長は「住民のみなさんからも意見をもらったので、一緒に何ができるのか検討していきたい」と話していました。