県立河北病院 手術ミス訴訟 遺族の訴え退ける 山形地裁

県立河北病院で胆のうの摘出手術を受けた男性が手術後に死亡したのは手術ミスが原因だとして、遺族が病院を管理する県に損害賠償を求めた裁判で、山形地方裁判所は29日、遺族の訴えを退けました。

当時68歳だった寒河江市の男性は7年前、県立河北病院で胆石胆のう炎と診断され、胆のうの摘出手術を受けたあと、吐き気や痛みを訴え、別の病院に緊急搬送されましたが手術の3日後に亡くなりました。

解剖の結果、死因は十二指腸に穴があいて腹膜炎を引き起こし、多臓器不全になったためだと判明したことを受けて、遺族は担当医師の手術ミスで死亡したとして病院を管理する県に5900万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしていました。

29日の判決で、山形地方裁判所の本多幸嗣裁判長は「十二指腸の穴が手術中に生じたことを的確に示す証拠はなく、手術後のおう吐などを腹膜炎の兆候と考えなかったことが病院の過失となるとはいえない」などとして、男性の遺族の訴えを退けました。

判決のあと、遺族の代理人を務める弁護士は「判決の理由をみて控訴するかどうか検討したい」と話していました。