山形大卒業医師のNPO ガザ地区南部ラファの病院に医薬品

イスラエル軍の軍事作戦が続くパレスチナのガザ地区の支援に取り組む山形大学を卒業した医師が代表を務めるNPOは、抗生物質や鎮痛剤などの医薬品およそ1000人分を、避難者など150万人近くが住む南部ラファにある公立病院に届けました。

パレスチナのガザ地区の保健当局によりますと、これまでの死者が3万人を超えているほか、深刻な食料不足に陥るなど、人道状況が悪化しています。

山形大学を卒業した医師などが立ち上げ、神奈川県に拠点を置くNPO「地球のステージ」の桑山紀彦代表は、ガザ地区で15年前に知り合った医師が院長を務める、ラファにある公立病院に医薬品などを届けようと去年から準備を進めてきました。

NPOによりますと、現地時間の今月13日、公立病院に感染症の患者に使う抗生物質やけが人の手術などに使う鎮痛剤や消毒液など6種類の医薬品、およそ1000人分を届けたということです。

およそ120万円の費用は、日本のNPOなどの活動を支援している「ジャパン・プラットフォーム」の資金などを活用したということです。

NPOは、医薬品を去年12月に公立病院に届ける予定でしたが、ラファの検問所を通る物資の量が10分の1ほどに減ったほか、ことしに入ってからは、現地スタッフの安全確保のため、複数回にわたって活動の中断を余儀なくされるなどした影響で、およそ3か月遅れでの支援となりました。

桑山代表は、「医薬品を届けるのがこれほど難しいのは初めての経験だが、届けられてよかった。一人一人の力は小さいかもしれないが、医薬品などを提供し続けていく」と話していました。