「フルーツ・ステーション」関連除く予算案 県議会で可決

県産フルーツの情報発信拠点「フルーツ・ステーション」の関連事業の予算案をめぐり、県は15日に開かれた県議会の本会議で予算案を撤回したうえで、関連事業費を除いた新年度当初予算案を提案し、可決されました。

県は「フルーツ・ステーション」の計画を見直し、今後の対応を検討することにしています。

県は県産フルーツの情報発信拠点として、寒河江市の県立公園に飲食や学習機能などを備えた施設「フルーツ・ステーション」を整備する計画を立てていて、新年度当初予算案に関連事業費としておよそ4800万円を計上していました。

この事業の総額は18億8000万円が見込まれ、13日に開かれた県議会の常任委員会で「公費の負担が大きい」などとして否決されました。

これを受けて、県は県民の理解が十分に得られていないとして予算案を撤回しました。

15日、開かれた県議会の本会議で「フルーツ・ステーション」の関連事業費を除いた一般会計の総額で6497億8300万円余りの新年度当初予算案を改めて提案し、可決されました。

県は「フルーツ・ステーション」の計画を見直し、今後の対応を検討することにしています。

吉村知事は「県議会で説明を尽くしてきたが、理解してもらえなかったことは残念だ。県民生活に関わる当初予算案を通すため『フルーツ・ステーション』の経費は撤回した」と話していました。

県議会の最大会派、自民党の森谷仙一郎幹事長は「『フルーツ・ステーション』の予算案の撤回という賢明な判断を県の執行部にしてもらった。事業の今後についてはしっかり議論し、ゼロベースで県の考えを見ていきたい」と話していました。

県議会の第2会派で、吉村知事を支持する県政クラブの木村忠三代表は「さくらんぼの魅力を全国・全世界に発信し、山形県を活性化させる予算が否決され非常に残念だ。山形県の果樹振興にとって何がベストなのか県にはもう一度検討して新しい案を提示してもらい、意見交換していきたい」と話していました。