介助用リフトを知ってほしい 障害がある子どもたちが体験

体ごと持ち上げてベッドから車いすなどへの移動を助ける「介助用リフト」の体験会が障害がある子どもたちを対象に開かれました。

「介助用リフト」は、高齢者や障害のある人たちを体ごと持ち上げベッドから車いすなどへの移動を助ける福祉器具で、欧米では公共施設や住宅などで普及していますが、日本では導入が進んでいません。

こうした中、介助用リフトを知ってもらおうと、山形市の障害がある子どもの通所事業所と、全国でリフトの普及活動を行っている団体が、3日、体験会を開きました。

通所事業所にはおよそ3メートル四方の範囲で移動できる介助用リフトが設置され、自力で動くのが難しい医療的ケア児など6人と親が参加しました。

子どもたちは、布団に横たわったり、バギーに座ったりしたまま、事業所のスタッフに体の下にシートを敷いてもらったあと、リフトを使ってシートごと持ち上げてもらっていました。

また、ふだんは足に装具をつけている小学生は、リフトを使うと装具なしでも自力で動くことができていました。

母親は「自分の足で動くことができたことが一番大きかったと思う。貴重な体験をさせてもらった」と話していました。

体験会を開いた団体のメンバーで山形大学医学部看護学科の松田友美教授は「リフトを使うことは子どもたちの発達や発育によい影響があるだけでなく、介助する側の負担軽減にもつながるので、全国に広まってほしい」と話していました。