手書きで文書作成指示され 精神的苦痛 修習生の賠償訴え棄却

山形地方裁判所で司法修習していた修習生が長時間、文書の作成を手書きで行うことを指示され、精神的苦痛を受けたなどとして、国に対し損害賠償を求めていた裁判で、山形地方裁判所は訴えを棄却しました。

おととし4月、山形地方裁判所で司法修習していた修習生が、司法研修所からの指示で5時間にわたって文書を手書きで作成したことで首から右腕にかけて痛みが生じ、およそ2か月のけがをして精神的苦痛を受けたなどとして、国に140万円余りの損害賠償を求めていました。

6日の判決で、本多幸嗣裁判長は「文書の作成方法は、司法研修所の裁量に委ねられていて、司法修習生の身体に過度の負担を課すものとまではいえない」と指摘したうえで、「司法修習生の採用の申し込みの時点で、健康上の理由により個別の配慮がある旨を申し出ていなかった」などとして、訴えを棄却しました。

当時、修習生だった原告の男性は「誠に遺憾です。判決理由を精査したうえで、控訴も視野に入れて対応を検討する」とコメントしています。