ラーメンの外食費用 山形市が2年連続の日本一を達成

ラーメンにかける外食費用について、去年1年間の国の調査結果が6日、発表され、山形市は1万7593円でライバルの新潟市などを抑え、2年連続の日本一を達成しました。

山形市役所では6日朝から、佐藤孝弘市長や市内のラーメン店などでつくる協議会の代表者などが集まり、去年1年間の総務省の家計調査の発表を見守りました。

午前8時半にホームページに結果が公表され、ライバルの新潟市などを抑えて山形市がラーメンにかける外食費用で日本一になったことが分かると、集まった人たちは歓声を上げて喜びを分かち合い、くす玉を割って祝いました。

総務省の調査結果によりますと、ラーメンなどの「中華そば」で出前も含め去年1年間にかけた外食費用は、山形市が1世帯あたり1万7593円で、2位の新潟市に2369円の差をつけ、2年連続の日本一を達成しました。

また、記録が残る2000年以降で過去最高額を更新しました。

このあと、市役所では館内放送を流したり、横断幕を担当課に掲げたりして日本一を祝っていました。

市内でラーメン店を経営する協議会の鈴木敏彦会長は「発表前はドキドキしたがよい結果が出てうれしい。さらに山形のラーメンを強いブランドにしていきたい」と話していました。

佐藤市長は「山形市のラーメンの多様性やおいしさをPRできたことがよい結果につながった。連覇を生かし、山形のラーメンのおいしさを全国に発信していきたい」と話していました。

【ラーメン店や客から喜びの声】
山形市がラーメンの外食費用で2年連続の日本一を達成したことを受けて、市内のラーメン店や利用客からも喜びの声が聞かれました。

「鬼がらし江俣店」の太田恒夫代表取締役は「おととしは新潟に負けましたが、去年、山形市が1位に返り咲き、今回も1位は譲れないと思いました。山形では夏に食べる“冷やしラーメン”のほか、各地域でさまざまな味のラーメンもあるので、これからも県内外や海外からも多くの人に食べに来てほしい」と話していました。

また、店を訪れていた70代の夫婦は「週に1回ほどラーメンを食べています。山形ではどこでラーメンを食べてもおいしいので、1位はうれしいです」と話していました。

1歳の娘と店を訪れていた母親は「子どもと一緒に食べられるので週末によく食べに来ます。県外出身ですが、山形のラーメンをたくさん食べるうちに、今は山形のラーメンが好きになりました」と話していました。

【連覇目指して】
ラーメンの外食費用で2年連続の日本一を達成した山形市。
6日を特別な思いで迎えた人がいます。

山形市はおととし、ライバルの新潟市などを抑えて2年ぶりに日本一に返り咲くと、「ラーメンの聖地」を宣言。
ラーメンを通して地域を盛り上げていこうと、官民一体となって取り組んできました。

その中心的な役割を担ってきた1人、山形市ブランド戦略課の高橋大課長は、ラーメン店の人たちと協力しながら特製ののぼりやポスターを作ったり、市内のラーメン店の情報をまとめたポータルサイトを開設したりして、日本一連覇を目指してPRを強化してきました。

さらに、山形にあるさまざまなラーメンの味を知ろうと、高橋さんはランチの時間などを使って市内各地のラーメン店を訪れてきました。

「1か月に同じ店に行くのは1回まで」という“マイルール”を設け、去年1年間に訪れたラーメン店はおよそ70店舗、食べたラーメンは130杯に上ります。

平均すると、およそ3日に1回のペースでラーメンを食べてきたことになります。

外食して食べたラーメンは毎回、SNSに投稿して、山形のラーメンの魅力を発信し続けてきました。

そして、迎えた6日。
午前8時半に国の家計調査の結果が発表され、2年連続の日本一を達成したことが分かると、高橋さんはラーメン店の店主たちと喜びを分かち合っていました。

高橋さんは「ラーメン店の人たちと一緒に取り組みを進めてきたことがよい結果につながったと思います。これからも1位をとり続けられるように、さらにPRに力を入れて取り組んでいきたい」と話していました。

【日本一の背景は?】
山形でラーメンが好まれている背景について、山形市の担当者は山形には出前の文化があり、子どもの頃からラーメンに親しんでいることが考えられると話しています。

山形市役所でラーメンのPRに取り組むブランド戦略課の高橋大課長は「そばどころの山形は、そば店でラーメンを提供する店も多く、自宅にお客さんが来た際は出前でラーメンを注文してもてなす文化がある。幼い頃からラーメンに親しむ環境で育っていて、山形の人たちにとってラーメンは身近な食べ物。外食するときは、ラーメンを食べる家庭が多いのではないかと思う」と話しています。

また、ラーメンの消費が落ち込みやすい夏の時期に、山形ではスープも麺も冷やした「冷やしラーメン」が食べられていて、こうしたことも消費を押し上げる要因になっているということです。

【ランキングの推移】
2022年までの10年間のランキングの推移を見てみると、山形市は2013年から2020年まで、8年連続で日本一を達成していました。

しかし、2021年は300円の差でライバルの新潟市に次ぐ2位となり、9連覇を阻まれました。

そして、おととしの2022年、山形市は2位の新潟市に600円余り上回り、日本一に返り咲いていました。