温泉の熱を使って作られる「小野川豆もやし」収穫盛ん 米沢

温泉の熱を使って冬場に作られる山形県置賜地域の伝統野菜、「小野川豆もやし」の収穫が盛んに行われています。

「小野川豆もやし」は、米沢市小野川地区で明治時代から温泉の熱を利用して冬場に作られてきた置賜地域の伝統野菜で、普通のもやしに比べて長く、シャキシャキとした歯ごたえが特徴です。

かつては70軒あった生産農家は現在は2軒だけとなり、このうち鈴木巌さんは先月下旬から豆もやしの収穫を始め、19日朝も5時から家族など3人で作業に追われていました。

豆もやしは温泉の熱で30度ほどに保たれた「室」と呼ばれる木の箱の中で育てられ、熱が逃げないようわらで覆いながら温度管理をしています。

豆もやしは大豆をまいてから1週間で30センチほどに育ち、鈴木さんたちは、根が切れないように土ごとすくい上げて収穫したあと、温泉で洗って土を落としていました。

鈴木さんによりますと、ことしは夏の猛暑や雨不足の影響で材料の大豆の収穫量が減っているため、豆もやしの収穫量も減る見通しだということです。

鈴木さんは「シャキシャキという食感、そして豆の部分の香りと味は格別です。雪が降って冬本番になったので鍋の具材として食べてもらいたい」と話していました。

小野川豆もやしは、来年4月ごろまで収穫が続き、市内のスーパーや道の駅で販売されます。