JR東日本 地方路線収支 羽越本線の区間 赤字50億円迫る

人口減少などで地方鉄道の利用者が減少する中、JR東日本は利用者が特に少ない62区間の、昨年度の収支の状況を公表しました。
すべての区間が赤字で、特に羽越本線の区間の赤字額は50億円に迫り、最も大きくなりました。

JR東日本は、地方路線のうち、利用が特に少ない区間の収支を去年から公表していて、一日平均で何人運んだかを示す「輸送密度」が2000人未満の区間のうち、災害や工事で不通となっている4区間を除く34路線62区間の昨年度の収支を21日公表しました。

すべての区間が赤字で、県内の5路線の7区間のうち、
▽羽越本線の鶴岡駅と新潟県の村上駅の区間で、赤字額は49億4600万円と公表された区間の中で最も大きくなりました。

▽羽越本線の酒田駅と秋田県の羽後本荘駅の区間で、赤字額は29億4100万円。

▽奥羽本線の新庄駅と秋田県の湯沢駅の区間で、赤字額は15億6300万円。

▽米坂線の米沢駅から今泉駅の区間で、赤字額は6億2300万円。

▽陸羽東線の最上駅から新庄駅の区間で、赤字額は5億1300万円。
最上駅から宮城県の鳴子温泉駅の間で赤字額は4億900万円。

▽左沢線の寒河江駅から左沢駅の区間で、赤字額は3億1800万円となっています。

JR東日本は、去年8月の豪雨の影響で、復旧のめどが立っていない米坂線の一部や、工事で不通となっている陸羽西線は公表していません。

JR鶴岡駅を利用する人たちからは路線の存続を心配する声などが聞かれました。

特急「いなほ」を利用して東京から帰省してきた20代の女性は「赤字路線と聞いて驚きました。帰省の時に利用しているのでもし路線がなくなったら困ります」と話していました。

また、鶴岡市内の高等専門学校に通う17歳の男子生徒は「通学で使っていて、朝の時間帯は混雑しているので赤字と聞いて意外でした。電車通学の人が多いので経営は厳しいかもしれないが運行は続けてほしい」と話していました。