山形市でため池の決壊防ぐ講習会 ポンプ使わない排水方法学ぶ

台風などの大雨でため池が決壊するのを防ぐため、ポンプを使わずに水位を下げる方法を学んでもらう研修会が山形市で開かれました。

研修会は、電気で動くポンプを使わずに、ため池の水を排出して水位を下げる方法を学ぶもので、27日は県内の自治体などからおよそ40人が参加しました。

はじめに、県の担当者が、台風などの大雨でため池に大量の水が流れ込んだ場合、決壊するおそれがあることなどを説明しました。

このあと、担当者が長さ10メートル、太さ7.5センチのホース3本をつなげてため池から水を抜くための装置を作り、ホースをため池の中から堤防を経由して水面よりも低い場所まで設置しました。

この装置は「サイフォンの原理」を利用していて、ホースの両端に取り付けたバルブを閉めた状態で、ホースの中を水で満たしたあと、バルブを開ければ、ため池から水を抜くことができます。

担当者がホースの中を水で満たしたあと、両端のバルブを開けると、ため池から水が勢いよく排出されていました。

排出できる水の量は、ホースの両端の高低差によって異なりますが、このため池の場合、1時間で42トンの水が排水できるということです。

県農村整備課の佐々木朗課長補佐は「ため池が決壊すれば、周辺の民家などに甚大な影響が出る。防災意識の向上につなげてほしい」と話していました。