米沢の伝統工芸「原方刺し子」 フィンランドの展示会に出品へ

江戸時代から伝わる米沢市の伝統工芸「原方刺し子(はらかたさしこ)」の作品がことし12月からフィンランドで行われる展示会に出品されることになりました。

「原方刺し子」は、今からおよそ400年前に上杉藩の下級武士だった「原方衆(はらかたしゅう)」の妻たちが、着物などを丈夫に長持ちさせるため刺しゅうを施したしたのが始まりとされています。

「原方刺し子」の作品が、ことし12月からフィンランドの博物館で行われる手作りの工芸品の展示会に出品されることになり、20日は唯一の職人、遠藤きよ子さんと、米沢工業高校の生徒などでつくる伝承する会のメンバーが米沢市で会見を行いました。

遠藤さんたちは、「魔よけ」の意味があるとされる六角形の模様の刺しゅうを施した「花雑巾」や県の花である紅花をあしらった「前掛け」など、出品する6点の作品について説明しました。

また、展示会で紹介するために生徒たちが作成した六角形の模様をデザインしたゲームや、フィンランド語の字幕をつけた動画についても説明しました。

遠藤さんは「原方刺し子は、着物に刺しゅうをすることで家族を寒さやけがから守るというのが原点なんです。裕福な時代だけどその原点を伝えたいと思います」と話していました。