女子中学生の自殺 第三者委の報告書開示「いじめと因果関係」

おととし2月、酒田市の女子中学生が学校で自殺した問題について、市教育委員会の第三者委員会が去年3月にまとめた報告書が開示されました。
報告書では、SNSで容姿をからかわれるなどいじめに該当する行為があったうえで、「いじめが自殺の主要な原因とは考えないが、いじめと自殺との間に一定程度の因果関係は認められる」としています。

おととし2月、酒田市内の中学校に通う当時1年生だった女子生徒が学校の校舎から飛び降りて自殺しました。

女子生徒は、担任との面談で「げた箱に『死ね』とか『きもい』などと書かれた紙が複数回入っていた」と相談していて、市教育委員会の第三者委員会はいじめの有無や因果関係などを調査し、去年3月に報告書をまとめました。

NHKは去年6月、情報公開請求を行い、15日、報告書が開示されました。

報告書では、女子生徒が自殺する半年ほど前の令和2年7月の時点で、小学校から中学校にかけての環境の変化などから強い自殺願望や孤独を感じていたとしています。

また、8月以降も無料通信アプリ「LINE」で容姿をからかわれる書き込みや、げた箱へ「死ね」などと書かれた紙を入れられるなど、ほかの生徒から攻撃的な言動などを受け、自殺の原因はこうしたことが相互作用した結果だと推察しています。

また、8月以降の「LINE」への書き込みや、げた箱への紙の投入など合わせて5つの項目がいじめに「該当する」としています。

一方、報告書ではいじめと自殺の因果関係について、7月までに強い自殺願望があったものの、いじめは認められなかったため、「いじめが自殺の主要な原因であるとまでは考えないが、いじめと自殺の間に一定程度の因果関係は認められる」と指摘しています。

この問題については、遺族の意向などを踏まえて、市の再調査委員会が調査を継続しています。