「樹氷」のアオモリトドマツ 地元の小中学生が若木を植樹

山形県と宮城県にまたがる蔵王山の冬のシンボル「樹氷」を形づくるアオモリトドマツが枯れる被害が広がっていることを受け、地元の小中学生らがアオモリトドマツの若木を山頂付近に植樹しました。

蔵王山の樹氷は、西から水蒸気を含んだ季節風がアオモリトドマツに吹きつけ、木の枝が凍りついて氷が大きくなったり、雪が付着したりするなどして形づくられます。

しかし、山頂付近ではガの幼虫などによるアオモリトドマツの立ち枯れ被害が広がっていて、国などは4年前から山の中腹で採取した若木を山頂付近に植樹する取り組みを進めています。

13日は地元の小中学生や高校生のほか、山形県の職員などおよそ50人が参加して、蔵王山の中腹、標高1300メートル付近で自生しているアオモリトドマツの高さ20センチほどの若木11本を採取しました。

このあと、参加者たちはロープウエーで標高1700メートルほどの山頂付近まで若木を運び、スコップで土を掘って、1本1本丁寧に植えていました。

参加した女子児童は「木が枯れている様子を見て悲しくなりました。若木が成長してきれいな樹氷を形づくってほしい」と話していました。

山形県みどり自然課の岩月広太郎課長は「樹氷復活は息の長い取り組みになるので、子どもたちに参加してもらうことで次の世代に取り組みをつなげたい」と話していました。