地区防災計画 高齢化や人口減少で策定が難しい自治会が多数

大規模な災害に備えて住民どうしが話し合って対応を決めておく「地区防災計画」の策定について山形県内の沿岸の3つの市や町に取材したところ、住民の高齢化や人口減少などにより策定することが難しい自治会が多くあることがわかりました。
地域防災に詳しい専門家は「避難場所や誰と逃げるかなど、まずは簡単な計画を作ることが大切だ」としています。

4年前の2019年6月18日、山形県沖を震源とし、山形県鶴岡市で震度6弱の揺れを観測した地震では、県内で28人がけがをしたほか、津波注意報が発表されました。

国は、東日本大震災をきっかけに、2014年以降、地域の事情にあった形で非常時の対応を決めておく「地区防災計画」の策定を呼びかけています。

NHKは津波の浸水想定区域が含まれる自治会の策定状況について、県内の沿岸の3つの市と町に取材しました。

鶴岡市は82%にあたる28の自治会で策定していますが、酒田市では30%にあたる6つの自治会、遊佐町では策定している自治会がないことが分かりました。

このうち、鶴岡市は4年前の地震の影響や市が派遣する「地域防災アドバイザー」の活動などによって策定が進んだということです。

一方、酒田市や遊佐町では住民の高齢化や人口減少などにより策定することが難しい自治会が多くあるということです。

地域防災に詳しい跡見学園女子大学の鍵屋一教授は「避難場所や誰と逃げるかなど、まずは簡単な計画を作って共有し、条件が変わったら見直していく。災害のあるなしに関わらず、いざというときに『一緒に助かろう』という意欲を高めることは大切だ」としています。