“自然への影響懸念”風力発電所計画に鶴岡市が中止を申し入れ

世界的に重要な湿地の1つに選ばれている鶴岡市郊外のため池の近くに東京の事業者が建設を計画している風力発電所について、鶴岡市はため池に生息する野鳥をはじめとする自然への影響が懸念されることを理由に計画に反対することを決め、1日事業者側に計画を中止するよう申し入れました。

風力発電所の建設は、東京に本社があり、全国で再生可能エネルギーの事業を展開する「ジャパン・リニューアブル・エナジー」が鶴岡市加茂地区で計画していて、高さが140メートル以上の風車を最大8基設置する予定です。

鶴岡市は、去年11月、この事業者から計画の届け出を受け、市独自に設けたガイドラインに基づいて、環境省や自然保護団体などから意見を聞き、検討してきました。

その結果、計画されている場所が世界的に貴重な湿地の保護を定めたラムサール条約に登録されている2つのため池から非常に近く、生息している野鳥に衝突したり生育への影響が懸念されるなどとして、計画に反対することを決めたということです。

1日開いた臨時の記者会見で、鶴岡市の皆川治市長が計画への反対を表明するとともに1日午前、事業者側に計画を中止するよう申し入れたことを明らかにしました。

建設計画をめぐっては、地元の自治会が風の向きや強さなどを観測する事前調査には同意していたものの、環境保護団体からは計画の中止を求める要望書が市に出されていました。

「ジャパン・リニューアブル・エナジー」は「地域のみなさまへも丁寧に説明しており、突然の発表に困惑している。対応については今後協議していく」とコメントしています。