東北電力 3月分の電気料金「横ばい」も4月分は「値上げ」か

東北電力はことし3月分の電気料金を発表し、多くの家庭が利用する国の認可を受けたプランの場合、政府の負担軽減策によって、平均的な家庭の電気料金は2月分と同様の6700円余りとなり、およそ2年ぶりの低い水準が続きます。

東北電力は、国の認可を受けた「規制料金」と呼ばれるプランのことし3月分の電気料金を発表しました。

それによりますと、今月から政府の負担軽減策で1キロワットアワーあたり7円が補助されるため、平均的な家庭では前の月と同じく6745円となります。

負担軽減策の導入より前に平均的な家庭の料金が6000円台だったのは、おととし4月だったため、ことし2月分以降、およそ2年ぶりの低い水準が続いています。

ただ、東北電力ではロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、火力発電に使う天然ガスをはじめとした燃料の価格が高止まりし、発電のコストが料金収入を上回る状態が続いているということです。

このため、東北電力は「規制料金」を平均で32.94%値上げすると国に申請していて、申請通り認可された場合、4月分の料金は平均的な家庭では9462円と、負担軽減策の導入前よりも高くなります。

国は値上げ幅などについて審査を進めていて、来月には仙台市で公聴会を開き、住民の意見を聞くことにしています。

【電気料金が月10万円超の家庭では】。
燃料価格の高騰で電気料金が値上がりするなか、オール電化向けのプランを契約している山形県内の家庭では、真冬の暖房代などがかさみ1か月の電気料金が10万円を超えるところも出ています。真冬の暖房などがかさみ、1か月の料金が10万円を超えるところも出ています。

山形県米沢市の平間史恵さん(49)は、15年前に建てたオール電化の1戸建ての住宅で、夫と中学2年生の息子と3人で暮らしています。

1月分の電気料金を12日にWEBで確認したところ、請求金額は10万1822円。

去年の同じ時期と電気を使った量はほぼ変わらなかったのに、およそ1.8倍となり、月額が初めて10万円を超えました。

平間さんの家はオール電化の住宅向けで、夜間の料金が安いことが特徴の東北電力のプランを契約しています。

このプラン、実は東北電力が去年7月、見直しを行いました。

家計への負担が急に重くなるのを避けるため、燃料費の上昇分を料金に反映できる上限が設けられていましたが、燃料価格の高騰や、おととしと去年の地震で火力発電所が大きな被害を受け財務体質が悪化したことを理由に、去年12月分から上限を撤廃したのです。

先月から床暖房を本格的に使い始めたという平間さんは「高くなるとは聞いていましたが想像を超えていたので、請求額を見たときは、とても驚きました」と話していました。

平間さんは、窓に断熱シートを貼ったり、こまめに電気を消したり、お風呂にはなるべく3人続けて入るようにしたりと、これまでも節電に努めてきました。

それでも電気料金が大きくはね上がったことから、今は床暖房を一切使わないようにしたほか、エアコンの温度を22度に設定し、厚着で過ごすようにしているということです。

さらに、少しでも電気料金を抑えられるようなプランに乗り換えることも検討しているということです。

平間さんは「一般家庭でできる節電は精一杯やっている。料金を抑えるいい方法があれば教えてほしい」とため息交じりで話していました。