プラチナに近い効率で反応 鶴岡高専など燃料電池の仕組み開発
水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池に注目が集まっていますが、反応に必要なプラチナが高額で普及の課題になっています。
鶴岡工業高等専門学校などの研究グループは、より安く作れる別の素材でもプラチナに近い効率で水素と酸素を反応させる仕組みを開発したと発表しました。
燃料電池は、水素と空気中の酸素をプラチナを使って反応させて発電して電気をためますが、プラチナが高額なことが普及の課題になっています。
鶴岡工業高等専門学校と筑波大学、それに九州大学でつくる研究グループは、より安く作れる、炭素に窒素を加えた別の素材でもプラチナに近い効率で水素と酸素を反応させる仕組みを開発したと発表しました。
こうした素材ではこれまで反応の効率が低下するのが課題だったため、研究グループはまず、素材をおよそ40ミクロンの小さなかごの形にしました。
そのうえで、かごの内部に鶴岡工業高等専門学校が開発した特殊な微粒子を入れることで、プラチナに近い程度まで効率の引き上げに成功したということです。
研究グループでは、燃料電池に組み込んでも同じような性能を引き出せれば商用化につながると期待しています。
鶴岡工業高等専門学校創造工学科の森永隆志教授は「これまで培ってきた微粒子を使った材料設計のノウハウを提供できた。さらに高い性能が出せるよう協力していきたい」と話していました。