「東日本重粒子センター」 肺や腎臓などのがん治療開始へ
重粒子線とよばれる放射線を使ってがん治療を行う山形大学医学部の施設、「東日本重粒子センター」で、来月3日から肺や腎臓などあわせて16のがんを対象に治療が行われることになりました。
これでセンターが当初計画していたがん治療すべてが行われることになります。
これは、山形大学医学部が30日、会見を開いて明らかにしました。
山形大学医学部の「東日本重粒子センター」は、放射線の一種の重粒子線をがんの病巣にピンポイントに照射する装置を備えた施設で、現在は前立腺がんなどの治療が行われています。
特に、重粒子線を照射する「回転ガントリー」と呼ばれる装置は照射角度を自由に変えることができるため患者は楽な姿勢のままがんの治療を受けられるのが特色です。
センターがこの装置の調整を進めた結果、呼吸の動きにあわせた重粒子線の照射ができるようになり、肺や腎臓などのがんの治療でも活用されることになりました。
これで、センターが当初計画していた16のがん治療すべてが来月3日から始まることになります。
センターでは将来的にほかの種類のがんの治療にも重粒子線を活用できるかどうか、研究を進めていきたいとしています。
東日本重粒子センターの根本建二センター長は「安全でいい医療を提供し、1人でも多くのがん患者を救っていきたい」と話していました。