“紀州のドン・ファン”遺産１３億円余 遺言書めぐり親族控訴

田辺市の資産家で“紀州のドン・ファン”とも呼ばれた会社社長の１３億円余りにのぼる遺産をめぐり、社長が生前に書いたとされる全財産を田辺市に寄付するという内容の遺言書は無効だと親族が求めた裁判で、親族側は、遺言書は有効だとする１審の判決を不服として、控訴しました。

６年前、田辺市の資産家で“紀州のドン・ファン”とも呼ばれた会社社長、野崎幸助さん（当時７７）が亡くなったあと、全財産を市に寄付するなどと書かれた遺言書が見つかり、市が１３億円余りにのぼる遺産を受け取るための手続きを進めています。
野崎さんの親族は、遺言書は、本人以外が作成した可能性が高いと主張し、遺言書の無効を求める訴えを起こしましたが、先月２１日、和歌山地方裁判所は、「遺言書の文字の筆跡は本人の筆跡であるとみて相違ない」などとして、親族の訴えを退け、遺言書を有効とする判決を言い渡しました。
裁判所によりますと、親族側は、この判決を不服として２日、控訴したということです。
今後、大阪高等裁判所で審理が続くことになります。
野崎さんは、自宅で急性覚醒剤中毒で死亡し、元妻の須藤早貴被告（２８）が殺人などの罪で逮捕・起訴されています。