有田市で高校生が争いのない世界について考える授業

高校生が、性別適合手術を受けて戸籍を変更した人や戦争を体験した人などの話を聞いて、争いのない世界について考える授業が、有田市で行われました。

有田市の箕島高校では、授業の一環として、争いのない世界をどのように達成するのかを考えてもらう取り組みを行っていて、5日は、2年生およそ120人がグループに分かれて7人のゲストの話を聞きました。
このうち、女子プロボクシングの元世界チャンピオンで、性同一性障害と診断され、性別適合手術を受け男性に戸籍を変更した真道ゴーさんは、中学生のころから自分の性に悩んで、自分を隠して生きることに苦しみ、みずから命を断とうとしたという過去を明かしました。
そのうえで、ボクシングに打ち込む中で、ありのままの自分を認めて支えてくれる人の存在に気づいたとして、「苦しみを抱えながらでも前を向いて生きていたら幸せになれた」と話すと、生徒たちは真剣な表情でメモをとっていました。
授業を受けた生徒は、「真道さんの『支えられて生きている』ということばが心に刺さりました。差別をなくすには、まず相手のことを肯定することが大切だと感じました」と話していました。
また、小学生の時に戦争を体験した古久保健さんは、墜落するアメリカ軍の戦闘機から逃げた時の恐ろしさや、戦死した父親の遺骨が集団で火葬され、本当に父親のものか知るすべがなく、悲しい思いを抱えていることなどを話しました。
話を聞いた生徒は、「帰ってきた遺骨が親のものなのか分からないというのは、平和な現在ではありえないので戦争の悲惨さを感じました」と話していました。