南海トラフ巨大地震に備えて JRきのくに線で夜間の避難訓練

南海トラフ巨大地震に備えようと、沿岸部を走るJRきのくに線で、夜間の津波を想定した列車から高台への避難訓練が行われました。

この訓練は、22日、JR西日本などが行い、沿線の利用客や和歌山大学の学生などおよそ120人が参加しました。
訓練は、夜の暗い時間帯にマグニチュード8.4の巨大地震が発生し、走行中だった列車が海南市の下津駅近くの踏切で緊急停止したという想定で始まりました。
最初に列車から降りた運転士が「津波が来るぞ!走れ!」などと、ライトを振りながら大きな声で呼びかけると、参加者は次々に列車から線路に飛び降りていました。
そして津波を避けるため、およそ200メートル離れた高台まで走って避難していました。
訓練の最後にJR西日本和歌山支社の富澤五月 支社長は、「訓練に参加した皆さんには、実際の避難の際に『一緒に逃げよう』と率先して周りに伝えてほしいです」と呼びかけていました。
訓練に参加したJR西日本の社員の男性は、「夜の避難は足元も見えづらく、高台まで距離もあって大変なことがわかりました」と話していました。
また、マレーシアからの留学生は、「自分の国では地震を経験していないので、きょうの訓練で地震にどのように対応すればよいかを学ぶことができました」と話していました。