和歌山市の「郭家住宅」 国の重要文化財に

和歌山市にある歴史的な建築「郭家住宅(かくけじゅうたく)」の10棟の建造物が、新たに国の重要文化財に指定されることになりました。

「郭家」は、代々、紀州藩の藩医を務めてきた家で、広い屋敷の中には江戸時代末期から大正時代にかけて建てられた建造物が残されています。
国の重要文化財に指定されることになった10棟の建造物のうち、洋館は、明治10年に建てられた木造2階建てで、2階のベランダに出るための開き戸にペンキで描かれた木目の模様などが特徴的です。
また、洋館につながる診察棟は、完全な和風建築となっていて、近代の民間の医療施設の建造物がほぼ当時のまま残っているのは貴重だということです。
国の文化審議会は、17日、郭家住宅などの重要文化財の指定を文部科学大臣に答申しました。
県によりますと、県内で国の重要文化財に指定された建造物は、これで87件になるということです。
県文化遺産課の御船達雄 専門員は、「平屋建ての町家が多い場所に2階建ての洋館が建てられたことは、当時の日本の文明開化を象徴するような出来事だったのだと思う。全国的に見てもこういった洋風の建物はたくさん残っているわけではなく、価値があると評価された」と話していました。