島精機 5年ぶりに黒字転換 アジア向けの販売が好調

和歌山市に本社を置く、大手繊維機械メーカー、島精機製作所の昨年度1年間のグループ全体の決算は、主力製品のアジア向けの販売が好調で、最終的な利益が5年ぶりに黒字に転換しました。

島精機製作所が発表した、昨年度1年間のグループ全体の決算は、▼売り上げが359億1000万円で、前の年度より5.2%減って減収決算になりました。
一方、▼最終的な利益は10億3000万円で、5年ぶりに黒字に転換しました。
これは、▼経済の低迷で中国の設備需要が振るわず、円安による海外資産の評価替えに伴う為替差損で収益が圧迫された一方、▼主力の繊維機械の販売がアジアで好調で、原材料の仕入れや生産のコスト削減によって収益力が回復したことが主な要因です。
今年度(2024年度)1年間の業績については、繊維機械の需要先である世界のアパレル業界の設備投資が活発になる見通しだとして、最終的な利益が17億円と、昨年度よりも65%多い大幅な増益を見込んでいます。
島精機製作所総務人事部の和田敏昭 次長は、「世界の人口は増えていて、繊維の市場は拡大傾向にあり競争は激化している。新たな市場の開拓や商品開発を進めたい」と話していました。