和歌山市が夜間中学を設置 来年4月から市立和歌山高校内に

和歌山市は、義務教育を修了しないまま成人した人などに義務教育の場を提供する「夜間中学」を、来年4月から市立和歌山高校内に設置すると発表しました。

「夜間中学」は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した人や、不登校などで十分な教育を受けられないまま卒業した人、そして、義務教育にあたる教育を受けていない外国籍の人に学ぶ場を提供するもので、都道府県に対し国が少なくとも1校の設置を求めています。
こうした中、和歌山市は15日の記者会見で「夜間中学」を市単独で、来年4月の開校を目指して設置すると発表しました。
設置場所は市立和歌山高校の中で、今後、授業時間や募集定員、募集の時期などの詳しい検討を進めることにしています。
市立和歌山高校には定時制の情報ビジネス科などが設置されていて、尾花正啓市長は「定時制の高校の情報系の科目を中学でも学べるよう高校と連携した教育を特色にしたい」と述べました。
市によりますと、義務教育を修了しないまま、学齢期を経過した人は市内におよそ2800人いて、今回の中学校が設置されれば40人余りの生徒が見込まれるということです。

このほか、県も、県南部の新宮・東牟婁地方で、夜間中学校の設置準備に入る方針を示しています。
県によりますと、早ければ再来年の4月にも開校したいとしていて、今後、開校の準備や検討のための組織を設け、どこに学校を設けるのかや、具体的な教育内容、それにカリキュラムなどを検討していきたいとしています。