センバツ高校野球 和歌山 耐久と21世紀枠で田辺 

ことし3月に甲子園球場で開かれるセンバツ高校野球の出場校32校が決まりました。
和歌山県からは、去年秋の近畿大会でベストフォーに進出した湯浅町の耐久高校と、「21世紀枠」で田辺高校が選ばれました。

耐久高校の野球部は、創設が明治38年(1905年)と、119年の歴史を持ちますが、甲子園出場は、春夏通じて一度もありませんでした。
去年秋の近畿大会では、その耐久高校がエース、冷水孝輔 投手を中心とした粘りの野球でベストフォーに進出し、初の甲子園出場に期待が高まっていました。
26日、湯浅町の学校の校長室では、午後4時ごろ、戸川しをり校長がオンラインで配信される選考の様子を見守りました。
そして、耐久高校の名前が読み上げられると、校長は拍手をして喜んでいました。
このあと、グラウンドの選手たちにセンバツ出場が決まったことが伝えられると、選手たちはそろって帽子を空高く投げ上げ喜び合っていました。
また、センバツ出場を伝える町内の防災無線が聞こえると選手たちは笑顔を見せていました。
キャプテンの赤山侑斗選手は、「素直にうれしいです。センバツでは学校の名前のように、耐え抜いて粘り強い野球をしたい」と話していました。
また、耐久高校野球部のOBでもある、井原正善 監督は、「先輩方がつないできたものを結実できてよかった。田辺高校と一緒に和歌山旋風を起こせるよう一戦必勝で気を引き締めて頑張りたい」と話していました。
エースの冷水孝輔 投手は、「憧れていた場所なのでうれしいです。センバツでも自分たちのできることをしっかりやることを意識して頑張ります」と話していました。

一方、困難な状況を克服して好成績を残した学校などが対象の「21世紀枠」で、田辺高校が選ばれました。
田辺市にある田辺高校は、監督が、スクールカウンセラーと連携し、精神面のサポートをするなど対話を重視して選手を育成し、去年秋の県大会で準優勝したことなどが評価され、「21世紀枠」の候補校になっていました。
26日、高校の校長室には、校長と監督、それに部長の3人が集まり、選考の中継を固唾をのんで見守りました。
そして、「21世紀枠」として田辺高校が選ばれると、3人は最初は驚いた様子でしたが、そのあとは喜びをかみしめていました。
なかでも、田辺高校野球部出身の田中格 監督は、目に涙を浮かべて喜んでいました。
そして、西嶋淳 校長が、「おかげさまで選出されました。本番に向けて努力を続けたい」と語っていました。
このあと、グラウンドに集まっていた選手たちに、センバツ出場の決定が校長から伝えられると、選手たちは喜びをわかちあっていました。
田辺高校のセンバツ出場は、76年ぶり3回目になります。
田中格 監督は、「みんなよくがんばった。でも絶対に忘れたらいけないのは、この選出は学校の力だ。OBやOGが培ってきた伝統の力、地域のみなさんの力なので、その感謝は絶対忘れないようにしよう。感謝の気持ちを持って甲子園に行こう」と選手たちに語りかけていました。
そして、山本結翔 主将は、「21世紀枠代表校に選ばれてとても光栄に思っています。この舞台に立っているのはたくさんの人の支えがあったからなので、とても感謝しています。甲子園という夢の舞台でプレーするので、あと2か月間しっかり準備して、本番では最高のプレーをして勝ち進んでいきたい」と抱負を語っていました。

ことし8月に開場から100周年を迎える甲子園球場で開かれる節目の大会は、3月8日に組み合わせ抽せんが行われ、18日に開幕し、休養日を含めて13日間の日程で行われます。