能登半島地震 被災地派遣 和歌山県の医療チームが活動報告

能登半島地震の被災地に派遣されていた和歌山県の医療チームが現地での活動を報告し、避難所では、段ボールベッドなどが足りず、多くの高齢者が床の上で寝ている状況で、高齢者が多い和歌山でも同様のことが起こりうることを指摘していました。

和歌山市の日本赤十字社和歌山医療センターで開かれた報告会には、今月(1月)4日から6日間、石川県輪島市に医師や看護師などの救護班の配置を調整する「災害医療コーディネーター」として派遣されていた医師、中大輔さんらが参加しました。
中さんらは、現地の避難所の状況について、地震の発生から1週間たっても段ボールベッドを含めたベッドが全く足りておらず、多くの高齢者が床に毛布を敷いて寝ている現状を説明しました。
また、避難所内では、新型コロナやインフルエンザなどの感染症が広がり、衛生環境を改善する必要があったということで、救護班には、土足で入れる場所を制限するなど、ゾーニングの徹底を呼びかけたということです。
そのうえで、中さんは、「高齢化率を考えると、和歌山でも、災害が起きた場合同様のことが起こりうる」と指摘し、災害が起きた際には段ボールベッドなどをすぐに配布できるシステムを構築しておく必要があると述べました。
中さんは、「現場で見て感じたことをしっかり伝え、行政に働きかけることで、災害時の態勢を整えることも自分たちの役目だと思う」と話していました。