ドローンや自動配送ロボットで医薬品届ける実証実験 日高川町

ドローンで山あいの地区の診療所に医薬品を届けたり、自動配送ロボットで診療所が処方した医薬品を患者に届けたりする実証実験が、日高川町で行われました。

この実証実験は、医薬品の配送の人手不足が進んだり災害で道路が寸断したりしても山あいの過疎の地域の医療サービスを継続していこうと、和歌山県や日高川町、和歌山県立医科大学のほか、通信会社や医薬品の卸し売り業者などが共同で行いました。
24日は、災害を想定した配送を検証しました。
まずはじめに、医薬品の配送拠点として想定した場所から道路が寸断されて孤立した、およそ20キロ離れた山あいの、美山地区の診療所に医薬品をドローンで運ぶ実験を行いました。
医薬品に見立てた荷物を積んだドローンは、飛び立って19分後、診療所近くの駐車場に到着し、荷物は無事医師に届けられました。
今後、卸し売り業者は、医薬品の長距離配送をドローンで定期的に行えるかどうかも検討する方針です。
また、診療所から、処方した医薬品を自動配送ロボットで、災害時の避難所に運ぶという想定の実験も行われ、24日は、担当者がロボットを操作しておよそ150メートル離れた役場の支所に薬を届けていました。
そして、患者役の人が、スマホに届いたQRコードをロボットにかざすと、扉が開いて、薬は無事、患者に届けられていました。
今後、このロボットの配送も、診療所から家庭に医薬品を届ける配送にも応用できるかどうか検討することにしています。
診療所の平林直樹 所長は、「過疎地では、診療所に来られない住民に薬を届けるにも距離が遠くて大変だ。オンライン診療をして薬の配送はロボットでというインフラが整えば、住民も医療従事者も助かる」と話していました。
医薬品卸し売り業者の平谷洋 物流本部長は、「今後、配送員の不足で、ますます薬の配送が難しくなりそうだ。過疎地に無人で運べるドローン配送にはメリットがある」と話していました。