和歌山 出土した副葬品や瓦などから古代社会の変化探る特別展

古墳時代から奈良時代にかけての県内の古墳や寺から出土した副葬品や瓦などを通して古代社会の変化を探る特別展が、和歌山市で開かれています。

これは、県立紀伊風土記の丘が開き、会場には県内や奈良県の古墳や古代寺院の跡から出土した副葬品や瓦など500点が展示されています。
このうち6世紀後半の古墳時代後期の鳴滝1号墳から出土した「単鳳環頭大刀柄頭(たんほうかんとうたちつかがしら)」は、その模様から古墳に葬られた豪族にヤマト王権から贈られたものであることがわかります。
また、飛鳥時代の古墳、御坊市の岩内1号墳から見つかった「銀装大刀」は、皇族などの古墳に共通する副葬品で、この古墳は、地域の勢力と結びつきがあり、謀反の罪で処刑された有馬皇子のものとも考えられます。
このほか、7世紀から県北部の各地に盛んにつくられた古代寺院から出土した瓦なども展示されています。
紀伊風土記の丘の田中元浩 学芸員は「出土した副葬品などの資料を通して、日本の国の原形やどのような社会の変化があったのかをみてもらいたい」と話していました。
特別展「律令国家成立前夜」は12月3日まで県立紀伊風土記の丘で開かれています。