田辺市 即戦力確保で初の秋採用 10人のうち8人が女性

若手から中堅の職員の離職が相次いでいることを受けて、田辺市は初めて秋の採用を行い、2日、新たに採用された10人が市長から訓示を受けました。

田辺市は、40歳以下の職員の退職が相次いでいるとして、即戦力となる人材を確保しようと、平成17年の市町村合併後、初めてとなる秋採用を行い、31歳から39歳までの男女10人を新たに採用しました。
2日、田辺市役所で採用式が行われ、真砂充敏 市長が「これまでの経験で蓄積したノウハウを、田辺市の職員として精いっぱい生かしてほしい」と訓示しました。
今回採用された職員は、10人中8人が女性で、サービス業や公務員それに弁護士など経歴はさまざまで、税務課や環境課などの10の部署に配属されます。
税務署職員として県外で働き、夫とともにUターン就職した職員は「子どもが2人生まれたこともあり、子育て環境も考えて地元に帰ってくる決断をしました」と話していました。
また、田辺市に隣接する上富田町の出身で、東京で弁護士として働いていた職員は「地元で働きたいという思いをずっと持っていて、法律に関する知識を生かせると思い、採用試験を受けました。いろんな部署があるのが市役所の魅力だと思うので、どんな業務でも与えられた役割を全うしたい」と話していました。

【秋採用の経緯と背景】
田辺市によりますと、退職者のうちの40歳以下の比率が令和元年度は3.6%でしたが、令和3年度は26.1%、昨年度(令和4年度)は33.3%と急増しているということです。
また合併によって、職員が一時的に増えたことから採用を抑制したことで、中堅世代の職員が少なくなっているということです。
このため市は初めての秋採用を行い、即戦力として30歳から40歳までの年齢で職員を募集しました。
ことし6月に申し込みを受け付けたところ「3人程度」の採用枠に対し、90人が申し込み、倍率は30倍となりました。
その後、7月から8月にかけて試験が行われ、この間にも新たな退職者が出たということで、最終的に10人が採用されました。
田辺市総務課の山田浩嗣 人事係長は「多くの人に受験してもらい驚いている。職業への意識が、近年大きく変わってきているのかなと受け止めている。田辺市職員の魅力ある働き方をPRしながら、今後も採用活動を行っていきたい」と話していました。