中国の大型連休始まる 和歌山市の黒潮市場にも中国人観光客

中国では、29日から建国記念日にあたる「国慶節」などの大型連休が始まりました。
新型コロナによる移動制限が撤廃されて初めてになる大型連休。
和歌山県内でも、多くの中国人観光客の姿が見られました。

29日の関西空港。昼過ぎから多くの中国人観光客が到着し混雑しました。
航空券の予約状況などを分析している中国の会社によりますと、大型連休中の中国の国際線の予約数は、今月(9月)中旬の時点で東京と大阪行きが上位に入っているということです。
また、航空各社では、29日に中国から関西空港に到着する便はいずれも満席か満席に近いということです。
和歌山市の商業施設「黒潮市場」では、中国からは個人旅行客を中心に家族連れなどが訪れているほか、台湾や韓国などから団体客が訪れ、にぎわっていました。
訪れた人たちは、マグロの解体ショーを撮影したり、日本の海産物を使った海鮮丼を食べたりして、楽しんでいました。
施設を運営する会社によりますと、売り上げはコロナ禍前の2019年の8割ほどに回復してきているものの、今回の国慶節の期間に中国からの団体客の予約は入っていないということです。
上海から来た25歳の女性は、「大阪の近くの観光地を調べたらこの場所が出てきたので来ました。中国ではこういう場所は珍しいので海産物を楽しみたいです」と話していました。
和歌山マリーナシティ黒潮市場事業部海外営業担当の恩田政二さんは、「中国からは個人客を中心に徐々に客足が戻って来ています。今回の国慶節をきっかけに中国の団体客も戻ってきてくれたらうれしいです」と話していました。

【SNS話題の場所も盛況】。
中国では、29日から新型コロナによる移動制限が撤廃されて初めての大型連休が始まり、中国のSNSで話題になっている、猫が駅長を務める和歌山電鉄貴志川線の駅でも、多くの中国人観光客が訪れています。
猫の駅長は、中国のSNSで、「かわいい」とか「猫が駅長をしているのが珍しい」などと話題になっているということで、多くの中国人がSNSをきっかけに和歌山を訪れているということです。
29日の貴志駅は、中国人の個人旅行客のほか、台湾などからの団体客であふれかえり、訪れた人たちは、駅長を務める「ニタマ」の姿を写真におさめていました。
上海から友人と訪れた20代の男性は、「猫の駅長は中国のSNSでも話題になっていたので来ました。猫がとてもかわいかったし、和歌山は風景がきれいなので気に入りました」と話していました。
安徽省から来た20代の男性は、「ゼロコロナ政策が終わり、やっと日本に来ることができました。貴志駅には久しぶりに来ましたが、海外の観光客が以前より大勢いて驚きました」と話していました。

【地方にニーズ高まる】。
中国人観光客の動向について、和歌山県観光交流課の和田英聖 課長は、「中国の各都市と関西空港を結ぶ便は、コロナ前の4割程度の便数で、航空便の価格が上がっていることもあり、中国人観光客はまだ完全には戻ってきていない」と話しています。
一方、日本での旅行のトレンドについては、「東京・大阪・京都といったゴールデンルート以外の『地方に行きたい』というニーズが高まっている。中国で和歌山のことを知ってもらうことが大事になるので、情報収集に使われるSNSなどの媒体でPRをしていく必要がある」と話していました。