サントリー地域文化賞に「和歌祭保存会」

地域文化の発展に貢献した個人や団体に贈られる「サントリー地域文化賞」に、伝統ある祭りの価値を高めたとして、和歌山市の和歌祭保存会が選ばれました。

この賞は、毎年、全国5つの地域の活動が選ばれますが、ことしは、和歌山市の和歌祭保存会が選ばれました。
和歌祭は、毎年5月、紀州東照宮で行われていて、江戸時代、紀州徳川家の初代藩主徳川頼宣が父・家康をしのんで始めたとされ、およそ400年の歴史を持つ伝統の祭りです。
地元の人たちによって昭和60年に設立された保存会は、和歌山大学と連携して戦争や資金難などで一時途絶えた祭りの歌や踊りなどの芸能を復興させ、継承する活動を続けてきました。
今回、こうした活動が祭りの歴史的・文化的な価値を高めたとして受賞が決まり、13日は、選考委員の1人、国際日本文化研究センターの磯田道史教授が県庁を訪れ「昔の祭りの姿を、残っていた絵画の資料などで時代考証をしながら丁寧に復元している」などと話し、保存会の活動を高く評価していました。
和歌祭保存会の和中美喜夫会長は「これ以上うれしいことはない。道具・衣装を保存し、芸や技で、指導者と後継者を絶やさないようにして、この先も祭りを続けられるようがんばりたい」と話していました。