和歌山城の芝地「扇の芝」が国の史跡に指定へ

江戸時代に紀州徳川家によって整備された和歌山城の「扇の芝」と呼ばれる区域すべてが、国の史跡に指定されることになり、かつての景観への整備が更に進む見通しになりました。

これは、21日に開かれた国の文化審議会が文部科学大臣に答申しました。
今回、国の史跡、和歌山城に追加で指定されるのは、和歌山城の南西にあたる「扇の芝」と呼ばれる区域の一部、およそ640平方メートルです。
「扇の芝」は、江戸時代、紀州徳川家の初代藩主、徳川頼宣によって整えられた扇状の芝地で、堀が切れた城の南西部分の見通しを確保するという軍事上の役割があったと考えられています。
江戸時代に紀州藩の名所を描いた「紀伊国名所図会」でも紹介されています。
5年前から、順次、条件が整った部分が追加指定され、今回の指定で、扇の芝の区域およそ3500平方メートル全ての指定が完了することになりました。
和歌山市は、かつての景観に整備していく計画を進めており、現在、店舗などとして利用されている区域のうち62%で用地取得が完了しているということで、今回の指定でさらに整備が進む見通しになりました。