紀の川市の「あら川の桃」桃では初のGI登録 地元も期待

国内外で販売される、産地の名前などを含んだ特産品を、国が地域ブランドとして保護する制度をご存じでしょうか。
「地理的表示制度」=GI。
農林水産省が要件を審査し、ブランドを保護する品を登録します。
このGIに紀の川市の桃のブランド「あら川の桃」が新たに登録されました。
桃の登録は、初めてで知名度向上が期待されます。

紀の川市の「あら川の桃」は、鮮度を保って販売するため、長らく関西地方を中心に販売されてきた和歌山の桃のブランドです。
アジアにも輸出されていて、桃の農家でつくる地元の振興協議会は、5年前、▼ブランドの不正使用を防いだり、▼海外などでのブランド力を高めたりしようとGI登録の申請を行っていました。
こうした中、審査を行う農林水産省は、▼江戸時代からの長い栽培の歴史、▼知名度や品質の高さなどから「あら川の桃」を日本の地域ブランドとして保護する対象と判断、登録を決めました。
桃の登録は初めてです。
あら川の桃振興協議会の上始 副会長は、「生産者たちの努力が認められた。品質に関しても国のお墨付きを得られた」などとして、国内外での販売をいっそう拡大したいという考えを示しました。

【GI登録で期待高まる】
桃は、傷みが早く国内でも販売エリアが限られ、輸出は難しいとされてきました。
しかし、付加価値の高い作物として需要が開拓できれば、最新の冷蔵技術を活用したり空輸で輸出したりしても販売価格を高めることで採算が取れます。
地元の振興協議会によりますと、すでに「あら川の桃」は、台湾などに年間3万トン余りが輸出されていて、今後も需要はいっそう高まる見込みです。
一方、産地では、農家の高齢化で需要の高まりに応じた生産拡大が思うようにできていません。
こうした中、地元では、今回のGI登録によってブランドの認知度を高め、若い生産の担い手確保にもつなげたいとしています。

【若手の農家は】
紀の川市で、およそ420本の桃を栽培する若手の農家は、「あら川の桃の歴史や努力が認められて本当にうれしい。これを機に、桃を作ってみたいという若い仲間が増えたり、子どもたちが将来栽培したいと思ってもらえたらうれしい」などと述べ、今回のGI登録が栽培の担い手が増えていくきっかけになるのではないかと期待していました。

【「あら川の桃」とは】
6月から8月にかけて収穫される、ブランド桃の「あら川の桃」。
まさにいまが旬で、地元の直売所や関西地方のデパートでも販売されています。
温暖な気候と、紀の川南岸の水はけのよい土壌に恵まれ、その実の色や形など、見た目が良く贈答に用いられるほか、糖度や味が安定しているのが特徴です。
また「一目十万本」とも呼ばれる、広大な農園は、3月下旬から4月上旬に、桃の花が咲き乱れ、その風景や香りはこの地方の風物詩ともなっています。