和歌山 “小さい手のリレー” 絵本の作者が講演

難病で視力を失った男性が小学生のサポートを受けながら、長年、バス通勤を続けてきた「小さい手のリレー」と呼ばれる実話をもとにした絵本の作者が、和歌山市で講演を行いました。

絵本「バスが来ましたよ」は、難病で視力を失った和歌山市の山崎浩敬さんがバスで通勤する際、地元の小学生から10年以上にわたって乗り降りを手助けしてもらった「小さい手のリレー」と呼ばれる実話をもとに描かれています。
6月1日は、県教育委員会が教員向けの人権研修の一環として、絵本の作者、木村美幸さんを招いて講演会を開きました。
この中で木村さんは「明るくて前向きな山崎さんと出会って、絶対に絵本にしたいと思った。大人や子どもにとっても生きるヒントを与えてくれるのが絵本で、1冊の絵本が人生を変えるかもしれない。1人でも多くの人にこの絵本を読んでもらいたい」と話しました。
講演には、山崎さんも招待されていて、絵本の感想を聞かれた山崎さんは「子どもたちと出会った時の事を思い出して涙が出ました。子どもたちや絵本のおかげで目の見えない人生を楽しんでいます」と答えていました。
講演を聴いた高校の教諭は「直接、話を聞くことで、どういう経緯で絵本が作られたのかわかったのでよかったです。絵本を読みたいと思います」と話していました。