有田川町 絵を描く楽しさ 絵本画家が伝える
視力を失った男性のバス通勤を長年、小学生たちが支えた「小さい手のリレー」という実話をもとに描かれた絵本で作画を担当した画家が有田川町を訪れ、子どもたちに絵を描く楽しさを伝えました。
絵本、「バスが来ましたよ」は難病で視力を失った和歌山市の職員、山崎浩敬さんがバス通勤の際、地元の小学生たちから10年以上にわたって支えられた「小さい手のリレー」と呼ばれる実話をもとに描かれています。
この絵本を広く知ってもらい、絵を描く楽しさを伝えるイベントが有田川町で行われ、親子連れなどおよそ20人が参加しました。
イベントでは作画を担当した絵本画家の松本春野さんが「みんなが一緒に幸せに生きられるようになってほしい」と絵本に込めた思いを伝えました。
そして、参加者たちは男性の腰に小さい手がやさしく触れてバスの乗車をサポートする絵本で最も象徴的な場面を描くことに挑戦しました。
親子で訪れた参加者はお互いに腰に手をあてて感覚を確かめながら赤や黄色などを使ってあたたかな思いが込められた場面を表現していました。
5歳の男の子は「たくさんの色で絵を描くのが楽しかったです。困っている人がいたら助けられるようになりたいです」と話していました。
松本春野さんは「絵本を通じてこれからもたくさんの人に善意のバトンをつないでいきたい」と話していました。