紀伊半島豪雨11年 那智勝浦町で慰霊祭 犠牲者悼む

死者・行方不明者が88人にのぼった紀伊半島豪雨から11年となる4日、29人が犠牲となった和歌山県那智勝浦町で慰霊祭が行われ、遺族らが犠牲になった人たちを悼みました。

平成23年9月に発生した紀伊半島豪雨では、台風の影響で、川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、和歌山、奈良、三重の3県で、死者・行方不明者があわせて88人にのぼりました。
このうち、19人が犠牲となった那智勝浦町の井関地区では、毎年、慰霊祭が行われていますが、おととしからは新型コロナの感染対策のため、町長と遺族会の代表だけが参加しています。
4日は、正午に、犠牲者を追悼するサイレンが町内に流され、2人は1分間の黙とうをささげました。
このあと、慰霊碑に花を手向け、手を合わせて犠牲になった人たちを悼んでいました。
那智勝浦町の堀順一郎町長は「この水害を風化させないためにも、後世に語り継ぎ、災害に強いまちづくりに取り組んでいきたい」と話していました。
また、当時76歳の父親と15歳のおいを亡くした遺族会代表の岩渕三千生さんは「亡くなった人たちは、災害に遭わなければ、今頃はどうしていただろうと思い、毎年、つらさがこみ上げてくる。9月4日を特別な日として、災害について考えるきっかけにしてほしい」と話していました。