紀伊半島豪雨11年 災害発生時間に追悼 那智勝浦町
死者・行方不明者が88人にのぼった紀伊半島豪雨から11年となる4日、29人が犠牲になった那智勝浦町では災害が起きた午前1時ごろ、遺族らが集まり、祈りをささげました。
平成23年9月4日の紀伊半島豪雨では、台風の影響で川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、和歌山、奈良、三重の3県で死者・行方不明者があわせて88人にのぼりました。
11年となる4日、最も多い29人が犠牲になった那智勝浦町では、井関地区の慰霊碑の前で災害が起きた午前1時ごろにあわせて犠牲者の数と同じ29のLEDライトに明かりがともされました。
慰霊碑には遺族や地域の住民が訪れ、静かに手を合わせて犠牲者を悼んでいました。
父とおいを亡くした遺族会代表の岩渕三千生さんは、「この時間帯になると何年たっても当時のことがよみがえってなんとも言い表せない気持ちになります。災害の情報は11年前より得やすくなっているのでみんなが、自分の命を自分で守れるようにしてほしいです」と話していました。
母と姉を亡くした寺本圭太さんは、「何年たっても当事者の中では風化しないと思います。娘がもう少し大きくなったらこの出来事を伝えていきたいです」と話していました。