JRきのくに線の今後のあり方 JRや観光協会などが議論

大幅な赤字となっているJRきのくに線の今後のあり方について、JRや地元の観光協会などと話し合う会合が白浜町で開かれました。

JR西日本はことし4月、きのくに線の新宮と白浜の間の路線について、2020年度までの過去3年間の平均の収支が、29億3000万円の赤字だと公表しました。
これを受けて、今後の路線のあり方を議論しようと、27日会合が白浜町で開かれ、JR西日本や観光協会の職員、それに地方議員など20人が参加しました。
はじめに、JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長が「これからさらに人口減少が進んでいくなかで、私たちだけで考えるのが厳しくなってきた。一緒にこの課題を考えていただきたい」とあいさつしました。
会合では参加者から▽線路や車両の維持・管理を沿線自治体が担い、会社は鉄道の運行に専念する「上下分離方式」を導入できないかといった意見や▽修学旅行客を呼び込み、臨時列車を走らせられないかなどの意見が出されました。
参加した、那智勝浦観光機構の藤原健一さんは、「地域に観光客を呼び込むためにも路線は、ぜひ存続させてほしい」と話していました。
この会合は、今後も議論を続けて提言をまとめ、県や地元自治体などに提出することにしています。

【きのくに線をめぐる状況】。
「きのくに線」をめぐる状況について詳しく見ていきます。
新宮から白浜までの区間で1日に平均何人を運んだかを示す「輸送密度」です。
民営化された当初の昭和62年度は、(1987年度)4123人いました。
しかし、おととしには(2020年度)608人にまで落ち込みました。

沿線では人口が減少しています。
県のまとめによりますと、新宮市から白浜町までの7つの沿線自治体の人口はおよそ8万5000人。
(20年・8万5485人)。
昭和62年に比べ3割以上減っています。
(87年・12万6149人)。

一方、県南部では高速道路などの整備が進んでいます。
7年前には▼紀勢道のすさみ南インターチェンジまでの区間と、▼「那智勝浦新宮道路」が開通。
現在、すさみ町から串本町をへて那智勝浦町につながる自動車専用道路の整備が進んでいます。
こうした中で今回の会合がきっかけとなり、きのくに線のあり方について地域で議論が深まることにつながるのか注目されます。
会合では、議論を続けて提言をまとめ、県や地元自治体などに提出することにしています。